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ハーディングフェーレ
Hardingfele

©︎ 2024 Adrian Hogan
楽器名は「ハルダンゲル地方のフィドル」を意味する。ノルウェー南西部を中心に伝わる伝統楽器。4 本の演奏弦に加えて、その下に 4 ~ 5 本の共鳴弦が張られており、ブリッジがほぼ平らなため、重音を多用する奏法が特徴である。
楽器のヘッドにはドラゴンやライオンの彫刻が施され、ボディには「ロージング」と呼ばれる繊細な花柄模様が黒インクで描かれている。また、テールピースや指板には真珠母や骨材が巧みに埋め込まれており、装飾の美しさが際立つ楽器である。
現存する最古のハーディングフェーレは、1651 年に Ole Jonsen Jaastad によって作られたもので、ベルゲン大学博物館に所蔵されている。しかし、洗練された外見であることや、ハーディングフェーレを入れていたと思われる、さらに古い年号が記されたケースの存在から、これ以前にも製作されていたと考
えられている。
ハーディングフェーレには様々な調弦方法があるが、共鳴弦の標準的な調弦は、上からシ、ソ♯、ファ♯、ミ、ド♯となる。ノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグの代表作「ペール・ギュント」の第1曲「朝」の冒頭の旋律は、これらの音に基づいて作曲されている。
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