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ヴィオラ・ダモーレ
Viola d'amore

©︎ 2024 Adrian Hogan
ヴァイオリンが現在の形に完成する前のバロック時代に活躍した楽器。演奏弦と同じ数の共鳴弦を持ち、甘美で繊細な響きを特徴とする。モーツァルトの父レオポルトは、その音色を「夜の静寂には特に魅力的な音」と評した。主に17世紀後半から18世紀前半にかけて多くの作曲家に愛され、 その中でも「四季」で有名なヴィヴァルディはこの楽器のために多くの作品を残している。
東インド会社の影響で東西の文化交流が活発になった 1600 年代には、インド、ペルシャ、トルコなどの楽器に触発されて、ヨーロッパでは共鳴弦楽器が多く生まれており、ヴィオラ・ダモーレもそうした経緯で誕生した可能性があると言われている。
長い歴史の中で、弦の本数や調弦方法に様々な試行錯誤を経て、現在では、演奏弦と共鳴弦それぞれ 7本ずつ、計 14 本の弦を持つタイプが主流になっている。SonaSonoS では、波田が 7 弦、向島が 5 弦の楽器を使用している。ヴィオラ・ダモーレは、現代において楽器、奏者共に非常に希少な存在になっているが、その独特の美しい響きと歴史的背景に惹かれる愛好者は少なくない。
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